通院や外出の移動を支える車椅子

介護タクシーの使い方と料金|保険が使う条件・福祉タクシーとの違い

公開: 2026年6月25日 読了目安 約6分

先に、要点だけ

  • 介護保険が使えるのは訪問介護の「通院等乗降介助」。ケアプランに位置づけが必要で、対象は要介護1〜5(要支援は対象外)
  • 保険で安くなるのは乗降介助の部分だけ。運賃・車いすなどの機材代は自己負担
  • 料金は「運賃+介助料+機材レンタル」の3つで構成される
  • 介護保険の利用は原則、本人の通院など生活に必要な外出に限られ、家族の同乗は原則不可。買い物・旅行などは保険外の福祉タクシーを使う
この記事の目次
  1. 介護タクシーの2種類:保険が使えるのはどっち?
  2. 介護保険(通院等乗降介助)を使う条件
  3. 介護タクシーの料金は「運賃+介助料+機材」
  4. 予約の仕方と使える場面の制限
  5. 自治体のタクシー券助成も確認する

親の通院に付き添うたびに、車いすの乗せ降ろしで腰を痛めそうになる——。そんなとき頼りになるのが介護タクシーですが、「介護保険で安くなるの?」「家族も乗れる?」「料金はいくら?」と、調べるほど分からなくなりがちです。

先に押さえておきたいのは、介護タクシーには介護保険が使える「通院等乗降介助」と、保険外の「福祉タクシー」の2種類があり、料金も使える場面も違うという点です。保険で安くなるのは乗り降りの介助だけで、運賃は自己負担。そして保険を使う場合は原則、本人の通院に限られます(健康長寿ネット)。この記事で、その使い分けと料金の全体像を整理します。

介護タクシーの2種類:保険が使えるのはどっち?

「介護タクシー」は俗称で、制度上はまったく別の2つを指しています。まずこの違いをはっきりさせると、あとの判断が楽になります。

🚑 通院等乗降介助(介護保険)

  • 訪問介護の一種。介助料が保険対象
  • ケアプランへの位置づけが必要
  • 対象は要介護1〜5(要支援は対象外)
  • 原則、本人の通院など生活に必要な外出

🚕 福祉タクシー(保険外・自費)

  • 介護保険は使わず全額自費
  • ケアプラン不要ですぐ使える
  • 要介護認定がなくても利用しやすい
  • 買い物・旅行や家族同乗も比較的自由

介護保険が使えるのは左の「通院等乗降介助」です。ホームヘルパーが乗車・移送・降車の介助や、乗降前後の移動、受診手続きの介助などを行う部分が保険の対象になります(健康長寿ネット)。ただし利用にはいくつか条件があるので、次で見ていきます。

介護保険(通院等乗降介助)を使う条件

保険を使うには、次の条件を満たす必要があります。

✅ 保険適用の主な条件

  • 要介護1〜5の認定を受けている(要支援1・2は対象外)
  • ケアマネジャーが作るケアプランに「通院等乗降介助」が位置づけられている
  • 原則、本人の通院など日常生活に必要な外出であること
  • 1人での移動・乗降が難しく、介助が必要な状態であること

とくに見落としやすいのがケアプランへの位置づけです。思い立った日にいきなり保険で使うことはできず、事前に担当ケアマネジャーへ相談して計画に入れてもらう必要があります。担当がまだ決まっていない人は、ケアマネジャーの探し方から進めてください。

介護タクシーの料金は「運賃+介助料+機材」

料金がわかりにくいのは、性格の違う3つの費用が合算されるからです。分解すると理解しやすくなります。

費用の種類中身介護保険
運賃タクシーの移動料金(メーター制・距離/時間制など事業者による)対象外(自己負担)
介助料乗降・移動・受診手続きなどの介助対象(1〜3割負担)
機材レンタル車いす・ストレッチャーなどの貸出料対象外(自己負担)

保険で安くなるのは真ん中の介助料だけです。移送にかかる運賃は介護保険の対象ではなく、別途本人が負担します(健康長寿ネット)。車いすやストレッチャーを借りればその分も自己負担が増えます。自己負担割合が何割になるかは所得により異なるため、介護保険の自己負担割合もあわせて確認してください。

⚠️ 「介護保険が使える=安い」ではない

保険が効くのは介助料の部分だけです。運賃や機材代は自己負担なので、短距離でも数千円になることは珍しくありません。予約時に「運賃・介助料・機材代の合計でいくらか」を事業者に必ず確認しておくと、当日あわてずにすみます。

予約の仕方と使える場面の制限

介護タクシーは流しのタクシーのように手を挙げて止めるものではなく、事前予約が基本です。保険を使う場合と自費の場合で、動き方が変わります。

1
使う目的を決める通院なら保険(通院等乗降介助)、買い物・旅行なら自費の福祉タクシーを検討。
2
ケアマネジャーに相談保険で使う場合は、行き先と介助内容を伝えてケアプランに入れてもらう。
3
事業者を予約日時・行き先・車いすの要否・合計料金を確認して予約する。
4
当日利用乗降・移動の介助を受けて通院。会計で運賃+介助料+機材代を精算。

使える場面には制限があります。介護保険の介護タクシーは原則として本人の通院など生活に必要な外出に限られ、家族の同乗は原則できません。趣味の外出や旅行、家族も一緒に乗りたいときは、自費の福祉タクシーを選ぶことになります。車いすを日常的に使うなら、通院以外の場面も見据えて福祉用具のレンタルを組み合わせる方法もあります。

自治体のタクシー券助成も確認する

自費部分の負担を軽くする手段として、自治体の福祉タクシー券(利用券)の助成があります。多くの市区町村が、要介護者や障害者を対象に運賃の一部を助成する制度を設けています。

たとえば船橋市では、要支援2・要介護1〜5の認定を受けた人を対象に、協定タクシー会社の利用で運賃の半額(上限あり)を助成する乗車券を交付しています(船橋市・2026年時点)。対象者・助成額・交付枚数は自治体によって大きく異なります。

💡 まず窓口で交付条件を確認

タクシー券は申請しないともらえません。親の住む市区町村の高齢者福祉担当や障害福祉担当の窓口に「福祉タクシー券はありますか」と聞いて、対象になるか確認してみてください。認定を受けた退院直後などは、通院が増える前に手続きしておくと安心です。

制度の名称や条件は自治体ごとに違います(2026年時点)。退院してこれから通院が始まる場合は、退院後の介護準備の中で、移動手段の確保とタクシー券の申請をあわせて進めておくと動きやすくなります。

よくある質問

介護タクシーは介護保険でいくら安くなりますか?

保険が適用されるのは乗り降りや移動の介助(通院等乗降介助)の部分だけで、1回あたりの介助料が1〜3割負担になります。タクシーの運賃そのものや、車いす・ストレッチャーなどの機材レンタル代は保険の対象外で全額自己負担です。運賃はメーター制または距離・時間制など事業者により異なります。

介護タクシーに家族は同乗できますか?

介護保険を使う通院等乗降介助では、介助の対象は本人のみで、家族の同乗は原則できません。家族が付き添いたい場合や、本人以外の目的で使いたい場合は、保険を使わない「福祉タクシー」を選ぶと同乗しやすくなります。認知症などで付き添いが必要な場合は例外扱いになることもあるため、事業者に確認してください。

買い物や旅行にも介護タクシーは使えますか?

介護保険の介護タクシーは、原則として通院など日常生活に必要な外出に限られ、趣味の外出・旅行・冠婚葬祭などには使えないのが一般的です。こうした目的では、保険を使わない福祉タクシー(自費)を利用します。福祉タクシーなら行き先や同乗者の制限がゆるやかです。

介護タクシーの料金を補助してくれる制度はありますか?

多くの自治体が、要介護者や障害者向けに「福祉タクシー券(利用券)」を交付し、運賃の一部を助成しています。対象者・助成額・枚数は自治体ごとに大きく異なります。お住まいの市区町村の高齢者福祉担当窓口で、交付条件を確認してみてください。

参考・出典

本記事は公的機関等の公開情報をもとに作成した一般的な情報提供であり、医学的な診断・助言に代わるものではありません。 制度の内容はお住まいの自治体や時期によって異なる場合があります。最新の情報は各公式窓口でご確認ください。