泊まりで利用する施設の廊下

ショートステイの使い方と費用|介護者の休息(レスパイト)に使っていい

公開: 2026年6月27日 読了目安 約5分

先に、要点だけ

  • ショートステイは施設に短期間泊まり、食事・入浴・機能訓練などの介護を受けるサービス。国の説明にも利用理由として「家族(介護者)の身体的・精神的負担の軽減」が明記されている
  • 費用は介護サービス費が介護保険の1〜3割負担、食費・滞在費(部屋代)・日常生活費は別途全額自己負担。低所得の場合は申請で食費・滞在費の負担限度額が下がる補足給付がある
  • 連続して利用できるのは30日まで。人気の施設は数か月先まで埋まりやすいため、複数施設に登録して早めに予約するのが現実的
  • 予約や手配は担当のケアマネジャー(要支援の場合は地域包括支援センター)に頼む。まだ担当がいなければ地域包括支援センターが窓口
この記事の目次
  1. ショートステイとは?2つのタイプがある
  2. 「介護者が休むため」は正当な利用理由
  3. ショートステイの費用はどう考える?
  4. 予約が取りにくい——早めの予約と複数登録が現実解
  5. 初めての利用:持ち物と本人への伝え方

親の介護が続くと、自分が倒れたら誰が親を看るのか、という不安が常につきまといます。少し休みたいと思っても、その間の親をどうするかが分からない——。そんなときの選択肢がショートステイです。

結論から言うと、ショートステイは親を短期間施設に預けて介護を受けてもらえるサービスで、「介護する家族が休むため」に使うのは正当な理由です。国の説明にも、利用が想定される場面として「家族(介護者)の身体的・精神的負担の軽減」がはっきり書かれています(厚生労働省)。この記事では、費用の内訳、予約が取りにくいときの現実的な対策、初回の持ち物と本人への伝え方までを順番にまとめます。

ショートステイとは?2つのタイプがある

ショートステイは、施設に短期間宿泊して、食事・入浴・排泄などの日常生活の介護や、機能訓練を受けられるサービスです。大きく2つのタイプがあります。

🏠 短期入所生活介護

  • 特別養護老人ホームなどに宿泊
  • 食事・入浴・排泄などの生活介護が中心
  • 「生活の場」でのお世話が必要なときに

🏥 短期入所療養介護

  • 介護老人保健施設や医療施設に宿泊
  • 医療的なケアやリハビリが受けられる
  • 持病の管理や医療的ケアが必要なときに

どちらを使うかは本人の状態で変わります。持病があって医療的な見守りが必要なら療養介護、生活の介護が中心なら生活介護が目安ですが、迷ったら担当のケアマネジャーが本人に合うほうを提案してくれます。

「介護者が休むため」は正当な利用理由

ショートステイをためらう家族が口をそろえて言うのが、「自分が休むために親を預けるなんて」という後ろめたさです。ここは、はっきりしておきたいところです。

💡 休息(レスパイト)のための利用は制度が想定している

国の説明では、ショートステイの対象として「家族(介護者)の疾病、冠婚葬祭、出張」に加えて「家族(介護者)の身体的・精神的負担の軽減」が明記されています。介護者が休むための利用は、例外的な使い方ではなく、もともと制度が想定している正しい使い方です。

介護は長く続きます。介護者が体調を崩す前に定期的に休むことは、結果的に在宅介護を長く続けるための土台になります。「限界まで我慢してから」ではなく、早めに使ってください。介護に疲れを感じている場合は介護に疲れたと感じたときの対処法もあわせて読んでみてください。

ショートステイの費用はどう考える?

費用は「介護サービス費」と「それ以外の実費」に分けて考えると分かりやすくなります。介護サービス費は介護保険が使えますが、食事代や部屋代は保険の対象外で全額自己負担です。

費用の種類保険の扱い負担のしかた
介護サービス費(介護の本体費用)介護保険の対象1〜3割負担(所得により異なる)
食費保険対象外全額自己負担
滞在費(部屋代)保険対象外全額自己負担
日常生活費(理美容代など)保険対象外全額自己負担

食費・滞在費は施設や部屋のタイプ(個室か多床室か)で金額が変わります。所得が低い場合は、申請して「介護保険負担限度額認定証」を受けると、食費・滞在費の負担限度額が下がる補足給付(特定入所者介護サービス費)を使えます(厚生労働省)。自己負担の割合そのものについては介護保険の自己負担割合(1割・2割・3割)で確認できます。

利用前に、ケアマネジャーか施設から1泊あたりの合計額の見積もりをもらっておくと、あとで慌てずにすみます。

予約が取りにくい——早めの予約と複数登録が現実解

ここが在宅介護でいちばんつまずくポイントです。

⚠️ 「使いたいときに空いていない」問題

ショートステイは需要が高く、人気の施設は数週間から数か月先まで予約で埋まっていることが珍しくありません。「介護者が急に体調を崩した」ときに慌てて探しても、当日すぐに空きが見つかるとは限らないのが現実です。

対策は3つです。予約や施設探しはケアマネジャーの仕事なので、遠慮なく頼んでください。第一に、使いたい月が決まったら1〜2か月前を目安に早めに予約しておくこと。第二に、1か所に頼らず2〜3施設と契約しておくと空きを見つけやすくなること。第三に、介護者の急病に備えて緊急時に受け入れてくれる施設をあらかじめケアマネジャーに聞いておくことです。

まだ担当のケアマネジャーがいない段階なら、まずそこからです。ケアマネジャーの探し方を参考に、地域包括支援センターに相談してみてください。

初めての利用:持ち物と本人への伝え方

初回は不安がつきものです。持ち物は施設から一覧をもらえますが、共通して必要になるものを先に挙げておきます。

✅ 初回に用意しておくもの

  • 介護保険被保険者証・健康保険証・介護保険負担割合証
  • お薬手帳と、滞在日数分の薬(普段飲んでいる薬)
  • 着替え・下着・パジャマ(数日分・記名しておく)
  • 洗面用具・入れ歯やメガネ・補聴器など
  • 使っているおむつ・パッド類(必要な人)
  • 緊急連絡先を書いたメモ・かかりつけ医の情報

持ち物には名前を書いておくと、施設での取り違えを防げます。

本人への伝え方も気がかりなところです。「厄介払いされる」と感じさせないよう、**「体験」「お試し」「少しお泊まり」**といった言葉でやわらかく伝えるのがコツです。だまして連れて行くのは避けたいですが、「お母さんが元気でいてくれるために、私も少し休ませてね」と正直に伝えると受け入れてもらいやすくなります。本人が施設への外出を嫌がる場合は、デイサービスを行きたがらないときの対応の考え方も参考になります。

制度の運用や費用は自治体・施設により異なります(2026年時点)。実際の利用にあたっては、担当のケアマネジャーや親の住む市区町村の地域包括支援センターに確認してください。何から相談すればいいか迷う場合は、介護のはじめどきチェックで状況を整理するところから始めるのもおすすめです。

よくある質問

ショートステイは家族が休むためだけに使ってもいいのですか?

使って大丈夫です。国の説明でも、利用が想定される場面として「家族(介護者)の身体的・精神的負担の軽減」がはっきり挙げられています。介護者が体調を崩したり出張・冠婚葬祭で家を空けたりするときはもちろん、疲れをためないために定期的に使うことも正当な利用です。

ショートステイは連続で何日まで使えますか?

連続して利用できるのは30日までです。30日を超えると、超えた分は介護保険給付の対象外(全額自己負担)になります。また、月をまたいでの長期連続利用には要介護認定の有効日数の半数を超えない範囲などの目安もあるため、長めに使いたいときは担当のケアマネジャーに相談してください。

急に予約したいとき、当日や翌日でも空きはありますか?

空きがあれば直前でも利用できますが、人気の施設は数週間から数か月先まで埋まっていることが珍しくありません。介護者の急病など緊急のときのために、あらかじめ複数の施設に登録し、担当のケアマネジャーに「緊急時に受け入れてくれる施設」を確認しておくと安心です。

費用は1泊いくらくらいかかりますか?

金額は要介護度・施設のタイプ・部屋の種類・所得によって変わるため一概には言えません。仕組みとしては、介護サービス費が1〜3割負担、これに食費・滞在費(部屋代)・日常生活費が別途自己負担で加わります。利用前にケアマネジャーや施設から見積もりをもらい、1泊あたりの合計を確認しておくと安心です。

参考・出典

本記事は公的機関等の公開情報をもとに作成した一般的な情報提供であり、医学的な診断・助言に代わるものではありません。 制度の内容はお住まいの自治体や時期によって異なる場合があります。最新の情報は各公式窓口でご確認ください。