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負担限度額認定とは|施設・ショートステイの食費居住費が下がる制度と申請方法

公開: 2026年6月14日 読了目安 約7分

先に、要点だけ

  • 負担限度額認定は、住民税非課税など低所得の方の施設・ショートステイの食費・居住費を、決められた日額まで下げる制度(正式名称は特定入所者介護サービス費)
  • 対象は特別養護老人ホーム・老健・介護医療院とショートステイ。有料老人ホーム・サ高住・グループホームは対象外
  • 要件は「世帯全員が住民税非課税」かつ「預貯金等が基準以下」。別世帯の配偶者も含めて非課税かどうかを判定する
  • 預貯金の基準は第2段階650万円(夫婦1,650万円)、第3段階①550万円、第3段階②500万円以下など(2026年時点)
  • 申請は市区町村の介護保険窓口へ。認定証を施設に見せて初めて食費・居住費が下がる。原則毎年更新
この記事の目次
  1. 負担限度額認定とは?何がどれだけ下がる制度か
  2. 対象になる人:所得と預貯金の要件(配偶者も判定)
  3. 対象になる施設・ならない施設
  4. 申請方法:どこで・何を出す・いつまで有効か

特別養護老人ホームの見積もりを見て、月々の食費と部屋代の重さに手が止まる——。介護サービスの1〜3割負担は覚悟していても、食費・居住費が丸ごとかかると聞いて不安になる人は多いはずです。

でも、親が住民税非課税など低所得なら、その食費・居住費を下げる制度があります。それが**負担限度額認定(正式名称・特定入所者介護サービス費)**です。特別養護老人ホームなどの施設やショートステイの食費・居住費が、決められた日額まで下がります。ただし有料老人ホームは対象外です。この記事では、対象になる人・施設と、申請のやり方を厚生労働省の資料に沿って解説します。

負担限度額認定とは?何がどれだけ下がる制度か

施設に入るとき、介護サービス費の1〜3割負担とは別に、食費と居住費(部屋代)が自己負担になります。この2つを、低所得の方向けに決められた日額まで下げるのが負担限度額認定です。

標準的な費用(基準費用額)と、認定された負担限度額との差額を、介護保険が施設に給付する仕組みです(厚生労働省)。負担段階は所得に応じて第1〜第3段階に分かれ、段階が低いほど負担が軽くなります。

💡 「認定証を出して初めて下がる」

認定されると介護保険負担限度額認定証が交付されます。これを施設に提示して初めて食費・居住費が下がります。認定を受けただけ、財布に入れたままでは適用されないので、施設への提出を忘れないでください。

食費と居住費の1日あたり負担限度額は、段階ごとに次のとおりです(2026年時点・厚生労働省)。基準費用額(標準的な費用)と比べると、下がり幅がイメージできます。

項目(日額)基準費用額第1段階第2段階第3段階①第3段階②
食費1,545円300円390円650円1,360円
居住費・ユニット型個室2,066円880円880円1,370円1,370円
居住費・多床室(特養等)915円0円430円430円430円

2026年8月からは、第3段階①・②に該当する方の食費が日額30〜60円、居住費が一部で日額100円引き上げられます(厚生労働省告示第88号)。上の表は引き上げ前の額です。最新の額は市区町村の窓口で確認してください。

対象になる人:所得と預貯金の要件(配偶者も判定)

負担限度額認定を受けるには、「世帯全員が住民税非課税」であることと、「預貯金などの資産が基準以下」であることの両方が必要です。

ここでつまずきやすいのが、配偶者の扱いです。

⚠️ 別世帯の配偶者も判定に含まれる

本人が非課税でも、配偶者が住民税課税だと対象外になります。しかも、住民票の世帯を分けている配偶者も判定に含まれます。「世帯分離すれば通る」と考えても、夫婦のどちらかが課税なら認定されません。夫婦そろって非課税であることが条件です。

預貯金の基準は段階ごとに決まっています。夫婦の場合はカッコ内の合計額で見ます(2026年時点・厚生労働省)。

💰 単身の預貯金基準

  • 第1段階:1,000万円以下
  • 第2段階:650万円以下
  • 第3段階①:550万円以下
  • 第3段階②:500万円以下

👫 夫婦の預貯金基準(合計)

  • 第1段階:2,000万円以下
  • 第2段階:1,650万円以下
  • 第3段階①:1,550万円以下
  • 第3段階②:1,500万円以下

段階は、住民税非課税を前提に、年金収入額と合計所得金額の合計で分かれます。おおむね、生活保護受給者や老齢福祉年金受給者は第1段階、年金収入等が年82.65万円以下なら第2段階、82.65万円超〜120万円以下なら第3段階①、120万円超なら第3段階②です(2026年8月時点・厚生労働省)。自分の親がどの段階かは、窓口で確認するのが確実です。

対象になる施設・ならない施設

いちばん間違えやすいのが、どの施設で使えるかです。施設に住むタイプでも、有料老人ホームなどは対象外です。

✅ 対象になる

  • 特別養護老人ホーム(特養)
  • 介護老人保健施設(老健)
  • 介護医療院
  • ショートステイ(短期入所)

🚫 対象外

  • 介護付き有料老人ホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅
  • グループホーム(認知症対応型)
  • デイサービスなど通所の食費

対象外の施設でも、介護サービス費そのものの負担軽減は高額介護サービス費で受けられます。施設の種類ごとの費用感は老人ホームの費用相場の記事もあわせて読むと、全体像がつかめます。

ショートステイを使う場合も、この認定があると食費・居住費(滞在費)が下がります。ショートステイの使い方の記事も参考にしてください。

申請方法:どこで・何を出す・いつまで有効か

申請は、親が住む市区町村の介護保険担当窓口で行います。難しい手続きではありません。

1
窓口で申請書を入手市区町村の介護保険窓口、または自治体サイトから。
2
預貯金の資料を用意通帳の写しなど、預貯金額が確認できるものを求められる。
3
申請書を提出本人・家族のほか、施設が代行してくれる場合もある。
4
認定証の交付審査後、負担限度額認定証が郵送される。
5
施設に提示認定証を施設に出して初めて食費・居住費が下がる。

有効期間は原則として毎年8月1日から翌年7月31日までで、毎年の更新が必要です。期限が近づくと更新の案内が届く自治体が多いですが、案内を待たずに継続の意思を伝えておくと安心です。申請そのものに費用はかかりません。

すでに施設に入っている場合や、これから入る場合でも、認定は申請した月から使えるのが一般的です。入所が決まったら、早めに申請しておくと食費・居住費の負担を最初から抑えられます。

制度の金額や運用は改定され、細部は自治体により異なります(2026年時点)。親がどの段階に当てはまるか、必要書類は何かは、親の住む市区町村の窓口で確認してください。介護費用全体の不安があるときは、親の介護でお金がない時に使う制度の記事で、負担軽減の全体像を整理しています。

よくある質問

負担限度額認定とはどんな制度ですか?

住民税非課税など低所得の方が、特別養護老人ホームなどの施設やショートステイを使うときに、食費と居住費(部屋代)を決められた日額まで下げる制度です。正式名称は特定入所者介護サービス費(補足給付)といいます。標準的な費用(基準費用額)と負担限度額との差額を、介護保険が施設に給付する仕組みです。

有料老人ホームでも負担限度額認定は使えますか?

使えません。対象は特別養護老人ホーム・介護老人保健施設(老健)・介護医療院と、ショートステイ(短期入所)です。介護付き有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は対象外です。これらの施設の費用軽減は、高額介護サービス費など別の制度で考えます。

本人が非課税でも、配偶者に収入があると対象外ですか?

配偶者が住民税課税だと、たとえ世帯や住民票を分けていても対象外になります。負担限度額認定では、世帯を分離している配偶者も含めて、夫婦そろって住民税非課税かどうかを判定するためです。あわせて、夫婦の預貯金の合計が基準以下であることも必要です。

負担限度額認定はどこで申請しますか?費用はかかりますか?

親が住む市区町村の介護保険担当窓口で申請します。申請書と、預貯金などが確認できる通帳の写しなどを提出すると、認定証が交付されます。申請そのものに費用はかかりません。認定証を施設に提示して初めて食費・居住費が下がるので、施設への提出を忘れないでください。

参考・出典

本記事は公的機関等の公開情報をもとに作成した一般的な情報提供であり、医学的な診断・助言に代わるものではありません。 制度の内容はお住まいの自治体や時期によって異なる場合があります。最新の情報は各公式窓口でご確認ください。